イエス・マイセルフ

自分の本質を感じて幸せな生き方を選ぶためのブログ

わたしに還る物語

 

少女は、そのやんちゃな素振りに見合わず、生まれつき肌が弱く、時には紫の塗り薬まみれに、時には包帯まみれになりながら、母親とせっせと皮膚科に通っていた。

 

そんな彼女に母親が与えたのは、薬局で購入した少し良質な石鹸と綿100%の”HADAKA”の肌着だった。少女はその石鹸の香りが大好きで、肌にしっとり馴染む綿100%の感触も好み着用していた。

 

思春期を迎える頃、彼女はショックな出来事に遭遇することになる。

 

「体を洗うのに石鹸はダサイよね。ボディーソープだよね。綿100%とか”HADAKA"のはダサイよね。”HADAKA"は恥ずかしいよね。」

大人への階段をのぼろうと”おしゃれ”や”流行”を追いかけている女子の間で、明るく皆に愛されている、とあるクラスメイトの言葉だった。

 

少女は1度経験した”つまはじき”をまた味わいたくない、ダサイ人間でつまはじきにされるのはゴメンだと、恐れの感情を抱いていた。

 

自宅に帰り、母にはもう”HADAKA"の肌着は買ってこないでと頼み、石鹸をやめてボディーソープと洗顔フォームを使用するようになった。

 

使い慣れてしまうと、思いのほか便利なものに感じて、自然と自分もそういったものが好みだと思い、当たり前のように使い過ごしていた。

 

大人になり彼女は病気を煩い、ステロイド治療を余儀なくされた。病気は完治したものの、免疫力が下がり、思春期に悩まされたニキビと再び格闘する日々が続いた。

 

ニキビケア用に勧められた肌に優しいスキンケア商品を使うものの、このまま続けるのは経済的には負担、低コストで自然なものを取り入れたいと、オーガニックのスキンケア商品を取り入れることにした。

 

時の流れも手伝い、豊富な種類の数々の石鹸が世に溢れ、その頃彼女が好んで使用していたのはあのダサかったはずの固形石鹸だった。

 

冬、大人になった彼女は寒さ対策のためにインナーウェアを着用していたが、間もなくして、体の異変に気づいた。肌にポツポツと発疹ができ、痒みが現れるようになったのだ。

 

自身の感覚を失いながら過ごし、本来の自分の感覚を取り戻そうと向き合い始めて暫く経ったある日の出来事だった。

 

彼女は、このままこのインナーウェアを着続けることは出来ないと判断した。

肌が嫌がっている…。

暫くして”自分の肌が求めているのは綿100%だ”

ー彼女はハッキリと自覚した。

オーガニックコットン100%”の言葉が頭に浮かんだ。

 

 

ーその後彼女は、母が与えてくれた愛と優しさを胸に、今度は自分の意思で、”石鹸”を使用し、”オーガニックコットン100%”の衣を着用している。

 

皮肉にも人にダサイと言われてやめた石鹸もコットン100%も、ずっと自分の体が求めていたもので、それは最初から与えられていたものだったのだ。

 

彼女は、そっと、きゅっと、軽く唇を噛み締めた。

ー人と違うことを恐れ、自分の体にも地球にも優しくないものを選んでしまっていたのだと。

 

少女は昔から知っていたのだ。体質も含めた”自分の性質”というものを。